保安管理技術

【二種販向け】LPガスの特性

LPガスは英語のLiquefied Petroleum Gasの頭文字をとって呼ばれる名前です。

LPガスと呼ぶ場合は、メタン、エタンなども含むのですが、法令ではプロパン、プロピレンなどの炭素数が3の炭化水素(アルカン・パラフィン系炭化水素)、またはブタン、ブチレンなどの炭素数が4の炭化水素(アルケン・オレフィン系炭化水素)のどちらかまたは、これらの混合物が主成分とするものと定義しています。

エタンおよびエチレンは5%以下、ブタジエンは0.5%以下でないと使ってはいけないものになります。

 

そのため、問題についても主成分となるプロパンの特性(たまにブタン)が中心になるので、キーワードの内容もほぼプロパンです。

解説の中でブタンとの関係性や補足を記載します。

記事のもくじ

丸覚えキーワード

  • プロパンのガス密度は約2Kg/㎥
  • プロパンの液密度0.53kg/L
  • プロパンが液体から気体になると270倍
  • プロパンの液比重は15℃で約0.5
  • プロパンの沸点は-42℃(要淳大気圧0.01013MPa)
  • プロパンの飽和蒸気圧は液相の組成と温度が一定であれば、液量の多少に関係なく一定0.73MPa
  • プロパン1molを完全燃焼させるために必要な空気は約24mol
  • プロパンの爆発範囲は2.1~9.5vol%
  • ブタンには異性体がある

キーワードの解説

プロパンのガス密度は約2Kg/㎥

ガス密度は

 

プロパン(C3H8)1molの質量(分子量g)を1molの体積(22.4L)で割ることで計算できます。

計算式は44g/22.4L=1.96g/L=1.96kg/㎥で約2kg/㎥と覚えておく。

 

ブタン(C4H10)は同様の計算で2.59kg/㎥

L(リットル)から㎥(立米・立方メートル)は1,000を掛けると計算できます。

 

プロパンの液密度0.53kg/L(530kg/㎥)

液密度は4℃の水との質量との比で表されます。

プロパンは約0.5kg/L(530kg/㎥)

ブタンは0.603kg/L(603kg/㎥)

 

プロパンが液体から気体になると270倍

ガスの比率と液体での比率が分かると、気化した際の体積がどのくらいになるかが計算できます。

530kg÷1.96=270.408と計算できますね。

ブタンは約同様の計算で230倍。

 

プロパンの液比重は15℃で約0.5

液比重は4℃の水の質量と液体の質量の比率。

水の温度が4℃となるのは、水分子が一番安定している状態なのが4℃で1Lの質量が1kgだから。

 

一番美味しく感じる温度も4℃だそうです。

プロパンが液体の時に基準となるのは15℃。1Lで0.5077Kgなので、約0.5となります。

 

プロパンの沸点は-42℃(標準大気圧0.01013MPa)

固体⇔液体⇔気体という状態が変わる際に決まっている融点、沸点などは圧力が大気圧の場合は定められており、状態が変わるまでは温度は変化しません。

圧力が変わると融点・沸点は変化します。

ブタンは標準大気圧では-0.5℃

 

プロパンの飽和蒸気圧は液相の組成と温度が一定であれば、
液量の多少に関係なく一定で0.73MPa

LPガスは液化した状態でボンベに充填されます。

プロパンの沸点(ガスに戻る)温度は-42℃であるため、ボンベをキンキンに冷やしているのかと言えばそんなことありません。

 

ボンベ内では気化して270倍になったプロパンガスが液状のプロパンを液状のままにできるくらいの圧力をかけています。

ボンベの中では液体と気体がせめぎ合っている。

飽和蒸気圧の説明の図

 

気化した圧力で液体に留めることのできる圧力のことを飽和蒸気圧と呼びます。

組成というのはLPガスを構成する成分のこと。プロパンとブタンが主成分となっていますが、それぞれ沸点が違うため、気化しやすい方(プロパンは-42℃)から消化されて、最後の方はブタン(-0.5℃)の比率が高くなったりします。

蒸発する時に外気から温度を取り入れたりしてるんだけど、後々出てきます。

 

プロパン1molを完全燃焼させるために必要な空気は約24mol

C3H8をCO2とH2Oに分解するために必要な酸素は5mol(5O2)

酸素はO2で1mol、C3H8+5O2→3CO2+4H2O

 

酸素は空気中に21%存在するので、酸素5mol分が含有されている空気量は

5÷0.21=23.809molという計算になる。

 

ブタン1molを燃焼させる空気量は同様の計算で約31molとなる

上の計算の意味が分からない場合は

 

【二種販向け】物理・化学の基礎

 

が参考になると思います。

 

プロパンの爆発範囲は2.1~9.5vol%

LPガスは上の化学式で書いた通り、酸素(空気)と混ざらないと燃えません。

プロパンガスの場合は混ざり過ぎても燃えません。

 

コンロなどは、あらかじめガスと空気と混ぜてから着火→外気の空気を使って燃えるって流れなんだけど、このあらかじめの空気と混ぜるのがうまくいかなかったりすると、不完全燃焼が起きたりします。

 

青い火で燃えずにオレンジとか赤いのは、不完全燃焼ですね。

 

主なガスの爆発範囲はこんな感じのグラフになります。

主なガスの爆発範囲のグラフ

 

上の表の数字は空気との混合比率のこと。

アセチレンなんて、ほぼどんな状態でも燃えるのでとっても危険。

範囲が広ければ広いほど取扱注意なガスなので、

「意外とプロパンって安全じゃね?」

と思うかもしれませんが、爆発下限が低いとと少し漏れても事故が起きる可能性があるので、やはり取扱には気を付けなければなりません。

詳細な数字は下記

主なガスの爆発範囲の一覧表

最低限プロパンとブタンの爆発下限・上限・範囲は覚えておきましょう。

 

 

ブタンには異性体がある

炭素原子の結合の順序が異なるものを異性体と呼ぶ。

※化学式上は一緒だけど、結合の仕方が異なる。

ブタンにはイソブタンと呼ばれるものがあると覚えておけばOK

 

試験前にチェック

  • プロパン・ブタンが気化するとそれぞれ液体の何倍になる?
  • プロパン・ブタンを燃焼させるためにそれぞれ必要な空気は約何倍?
  • プロパン・ブタンの沸点は?
  • プロパン・ブタンの爆発範囲はどっちが大きい?

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