ボンベを大量に積んだトラックが走っているのを見かけたことはありませんか?
ご家庭向けの個別供給のためにボンベを交換したり、マンションやアパートなどの集団供給に使うボンベハウスに設置しているボンベを交換することで安定供給ができています。
配送のコストがかかるので、都市ガスに対して割高になるのですが、配送するトラックにも決まりがあります。
ボンベの積み方、安全のためにトラックに積んでおかないといけないもの(携行物)、携行物の基準が変わるなどがポイントです。
記事のもくじ
丸覚えキーワード
- LPガスの移動方法
- ローリの輸送について
- バラ積み輸送について
- ボンベの積み方
- 携行物
- 運ぶ量によって変わる携行物
キーワードの解説
ポイントの部分で挙げた、ボンベの積み方、必要な携行物、ボンベを運ぶ量によって変わる携行物がポイントです。
この部分については丸覚えしておきましょう。
正誤問題の注目ポイントは「〇〇kgを積んで運んだ」などの前提条件や「見えやすい位置に掲示して運転した」などの配送時の状況を元に正誤を問われることが多いです。
LPガスの移動方法
まずは、LPガスの移動方法の種類について覚えておきましょう。
全部で5つ。
- 車掌に固定した容器(タンクローリ)で運送する方法
- 容器をトラックなどに積んで運送する方法
- 導管により輸送する方法
- 鉄道車両に固定した容器で輸送する方法
- 船舶に固定した容器で輸送する方法
一般的な移動方法としては、1.タンクローリでの運送と2.容器をトラックに積んで運送する方法です。
それぞれ、タンクローリでの移動をローリ輸送、容器をトラックに積んでの移動をバラ積み輸送と呼ばれています。
タンクローリについては下記記事で説明しているので、移動についての説明を記載します。
ローリ輸送について
ローリ輸送は3トン未満か3トン以上かで基準が変わります。
例によってそりゃそうだ系の内容が多いので、さっと読みでOKです。
ローリ輸送の注意点(3トン以下)
- 移動の開始前後にガスの漏洩などの異常がないかを点検する
- 移動の開始前に消火器ならびに応急措置に必要な資材および工具があるかを確認する
- 積み下ろし作業以外で注射する場合は、第一種保安物件、第二種保安物件が密集する地域を避け、交通量が少ない安全な場所を選んで停車する。
やむを得ない場合以外は運転者はタンクローリを離れないこと。
2時間以上を越えて駐車していると貯蔵設備扱いになるため、同じ場所に2時間を超えて駐車してはならない。
移動の開始と移動終了後に点検・確認は目視で行います。
移動の開始前の点検次項
- 緊急遮断装置およびLPガスの取り出し・受け入れに用いるバルブが閉まっているか
- ローディングアームなどから充てんホースの接続口にキャップが装着されているか
- 容器、安全弁、スリップチューブなどの付属品からガス漏れがないか
- 高さ検知棒にに損傷がないか
- 傾向する用具、資材などに不備はないか
移動終了時の点検次項
- バルブなどのハンドルのゆるみがないか
- 高さ検知棒および容器の下部に設けた付属配管などに損傷がないか
- 付属品などの締め付けボルトのゆるみがないか
- 携行する用具、資材などの脱落、損傷がないか
異常があった場合
- LPガスの漏洩に対してはバルブの閉止、継手を締めるなどの措置を講じる。
- これでも止まらない場合は、容器内のLPガスを他の容器または貯槽に移して対応する。
- 携行する用具や資材がなくなったり損傷がある場合は補修または取り換えをおこなう。
安全に配慮して人気の少ない地域を選んで走ること、事故が起きないように点検して、事故が起きても対応できるような器具を持って運びましょう。
2時間を超えると貯蔵施設扱いになってしまうので、出来る限り速やかに配達して戻るようにとなってます。
ローリ輸送の注意点(質量3トン以上)
- 「移動監視者」の資格を持つ者が免状を携帯して運転または同乗して監視しないといけない。
- 移動と厨二以上が発生した場合に荷送人への連絡方法、移動経路の近辺の防災事業所への応援の求め方などを必要な措置をあらかじめ講じ、災害の発生や拡大の防止に努力すること。
- 繁華街または人込みを避けて移動すること。
- 連続4時間以上の運転、または1日当たり9時間を超える場合は交代して運転できるように運転者を2人にすること。
- LPガスを移動する時は移動中の災害防止のために必要な注意事項を記載した書面を運転者に渡して、運転中は常時携帯させること。
1.の移動監視者についてと4.の連続運転についての項目くらいですかね。
移動監視者は製造保安責任者免状の交付を受けるか、高圧ガス保安協会が行う講習を受けて検定に合格すればもらえます。
バラ積み輸送について
ボンベ容器をトラックに積んで運ぶバラ積み輸送。
- 警戒票が掲示してあること
- 容器は常に40℃以下に保つこと
- バルブが突き出しているプロテクターのない容器には必ずキャップを取り付けること
- 車両の走行中に容器が転落・転倒するのを防ぐために積み方を工夫すること(※後述)
- 車両の棚板は正常な状態に閉じた上、確実に止金をかけること
- 積載容器+LPガスの合計質量が車両の最大積載量を超えないようにすること
- 容器を積み下ろしする時には注意すること(※後述)
- 移動の開始前に消火器ならびに応急措置に必要な資材および工具があるかを確認すること
- 容器の積み下ろし作業以外で駐車する場合は、第一種保安物件の近辺および第二種保安物件が密集する地域を避け、交通量が少ない安全な場所を選ぶ。
なおやむを得ない場合を除き、車両からは離れない。
3トン以上となるLPガス容器を積載した場合は、ローリ輸送(3トン以上)の基準になる。
こちらも2時間以上駐車すると貯蔵設備扱いになります。
容器の内容席が25L以下の充てん容器などのみを移動する場合で、容器の内容席の合計が50Li以下の場合は1、8、9の適用を受けない。
ポイント
プロテクタのない50kg容器には全てキャップが必要。
最大積載量は容器の重量も含める。
ボンベの積み方
については覚えておきましょう。
(※後述)と書いたボンベの積み方と積み下ろしの時についてはボンベの積み方についてはしっかり覚えましょう。
積み下ろしは流し読みでOK。
ボンベの積み方
- 容器は立積みまたは斜め積み、10kg以下の容器を除き1段積みで積むこと。
- 斜め積みの場合には安全弁の放出口を上に向けて容器の側面と車両の荷台との角度を20度以上でかつその角度を保持できるようにすること。
- 曲がる時に片方に偏らないようにバランスよく積むこと。
- 容器の荷くずれなどを防ぐために原則として車両の荷台の前方に寄せてロープなどで緊縛、後ろ面と車両の後ろバンパー後ろ面との間に約30cm以上の水平距離を保持するように積む。
ボンベの2/3以上の高さの木板など(厚さ5mm以上、幅100mm以上)で荷台を覆える場合は、30cmの水平距離はなくてもOK
大抵木枠をかませて最大積載量のギリギリまで積んでるイメージです。
積み下ろしの時に気を付けること
- 車両の車止めを確実にしてからおこなうこと
- パワーゲートを使用しにで荷下ろしをするときは、容器に衝撃を与えないように衝撃を緩和するものを使うこと。
- 容器に摩擦やきず、へこみを生じないように車両と胴部の間に布などの緩衝材を使う
- 容器にキャップまたはプロテクターが装着されているかを確認する
- 容器を地面の上で移動する時は、胴部が地面に接しないようにする
- 容器を緊縛したロープなどをはずす時は容器が転落転倒しないように気を付ける
必要な携行物
先程までの決まりを守るために携行物についての規定があります。
全部で10個、特に珍しい内容はないので簡単に覚えれると思います。
- 両面表示の警戒標(屋根付近の見えやすい場所)
- 赤旗
- メガホン
- 漏洩検知剤
- 赤色合図灯または懐中電灯
- 車輪止め(2個以上)
- ロープ(長さ15m以上で2本以上、危険区域を示したりボンベを緊縛する)
- 容器バルブ開閉用ハンドル(容器に装着されている場合はOK)
- 容器バルブグランドスパナ(モンキースパナ)
- 革手袋(凍結防止用)
望ましいとされているのは、ゴム板、ゴムチューブ、防災キャップなどが挙げられています。
消化器は携行物ではなくて消火設備としての扱いになります。
ボンベを運ぶ量によって変わる携行物
消火器の数が変わります。
LPガスの積載量 | 消化器の能力 | 個数 |
150kg以下 | B-3以上 | 1個以上 |
150kg~1,000kg以下 | B-10以上 | 1個以上 |
1,000kgを超える場合 | B-10以上 | 2個以上 |
ほとんど丸覚えの内容ばかりなので、暗記が終わったなと思ったら過去問に取り掛かりましょう。