ボンベから調整器を通ってガス燃焼器に供給されるガスがどのくらい使っているのかを測定するためのガスメータ、様々な安全機能が入っています。
記事のもくじ
丸覚えキーワード
- ガスメーターの選定ルール
- ガスメーターの種類
- ガスメーターの設置場所についての注意事項
- 検定認証と有効期間
- マイコンメータの機能
- マイコンメータSとマイコンメーターE
キーワードの解説
LPガスの販売については、液化石油ガス法により、「一般消費者にLPガスを販売する場合、所定の要件を満たした場合を除いて、ガスメーターにより体積で販売しなければならない。」とされています。
使用流量で請求しますし、単位は㎥(立米・りゅうべい)です。
全然なじみがないですよね。
ただ、ガス会社の収益は消費者が使用したガスの使用料で成り立っているので、非常に重要な設備です。
請求額が過少になっていれば損失になりますし、過大になっていればお客様からの信頼を失います。
ガスメーターが正確に使用量を計測してくれるのは、とてもたいせつな要素になります。
ガスメーターには様々な種類があり、ご家庭の使用状況に合わせた様々なメーターがあります。
消費者としては興味がないかもしれませんが、私たちは設置する側なので知っておかないといけませんね。
設置ルールとしては、調整器よりも5cm以上高い位置に設置する必要があるのは覚えているでしょうか。
今回はガス機器の手前のガスメーターについてです。
それでは見ていきましょう。
ガスメーターの選定ルール
さきほどガスメーターはたいせつな設備で、様々な種類があると書きました。
お客様にあったガスメーターを選定するためのポイントは下記の4点です。
- ガスの使用最大流量に合った計算能力のものであること
- 正確に計量できること
- 耐圧・耐熱性および耐久性に優れ、取り付けおよび維持管理が容易であること
- 所定の保安機能があること。
そりゃそうだ、と思う内容ではないでしょうか。
1.ガスの使用最大流量に合った計算能力のものであることについては、消費者がもっている全てのガス機器を同時使用したと仮定して、それでも余裕のある計算ができるものを選ぶ必要があります。
ガスメーターには、1時間ごとの計算能力によって規格が分けられています。
使用最大流量 (㎥/h) |
1 | 1.6 | 2.5 | 4 | 6 | 10 | 16 |
「計算能力しょぼい」と思いませんでした?
私は思いました。
ただ、使用量を考えてみると1時間あたりの1~16㎥といった計算能力の枠で十分だということが分かります。
ガスの使用量について
LPガスの月間の使用量については、家にいる時間の長さや毎日お風呂なのか、シャワーで済ませるのかなどの生活様式によって異なりますが、1人暮らしであれば平均7㎥くらい、4人家族で平均20㎥くらいです。
1日あたりの使用量は1人暮らしで0.23㎥、4人家族で0.67㎥、純粋に24時間で割ると1時間当たりの使用量は1人暮らしで0.0097㎥、4人家族で0.028㎥になりますね。
(24時間動き続けてるわけがないのであくまで仮定です。)
1~16㎥の枠でもけっこう広いと思うのではないでしょうか。
「ひと月のガスの使用量の平均が7㎥?ウチは使い過ぎ?」と思った方は、都市ガスをお使いなのだと思います。
LPガスは都市ガスに比べて約2.2倍の熱量があるため、使用量も約半分になります。
ちなみに料金についてはLPガスは自由料金、都市ガスはガス事業法である程度定められているので比較が難しいです。
ガスメーターの種類
ガスメーターは大別すると実測式と推測式があります。
実測式には乾式と湿式があり、乾式の中には膜式と回転式があります。
推測式にはオリフィス式、ベンチュリ式、タービン式、渦式、超音波式があります。
マイコンメーターがとてもメジャーなメーターなので、問題もマイコンメーターについてが多いです。
マイコンメータと呼ばれるものの多くは、膜式(実測式で乾式)ガスメーターです。
膜式マイコンメーターの内部構造は上図の通り。
バルブがA室またはB室とガスの出口をふさぐことでコントロールしています。
記載していませんが、可動膜がA→B→A→Bと動いてガスが燃焼器に流れることに連動して使用量カウンターが動くので、実際に使った量がカウント=実測式となるんですね。
ガスメーターの設置位置の注意事項
ガスメーターが壊れずにかつ正確に計測できるような環境を整えましょうねということで、
全部で9つ推奨されています。
- 湿気の多い場所および長時間直射日光を受ける場所はNG
- 検診および表示の確認が容易な場所に設置すること
(なお、結構見にくい場所にも設置されてることはあります) - 電線から10cm以上、電気開閉器および安全器から60cm以上離れた位置に設置することが望ましい。
- 容器などとの接触によって破損しない位置にすること
- 鋼管、漏洩検査、容器交換などの維持管理が容易になる場所に設置すること
- 調整器とガスメーターの間の配管にはドレン(水)抜きを設けること
- 容器の直近にガスメーターを設置する場合、ガスメーター入口は容器バルブの出口より高い位置に設置すること
- 積雪地域および寒冷地地域では、必要に応じて雪や凍結の防護措置を講ずること
- 振動を強く受ける場所、腐食性ガスなどが発散するおそれのある場所、
高圧電気設備の近所などガスメーターに悪影響を及ぼすおそれのある場所は避けるか、適切な保護措置を講ずること
検定認証と有効期間
使う量が多いと痛むのが早いので、使用流量によって有効期限が変わります。
LPガスと都市ガスで使用流量が変わるのですが、LPガスは6㎥/1h以下なら10年、以上なら7年。(都市ガスは基準が16㎥/1h)
また、検定証印または基準適合証印がない場合は、検定の有効期間内であっても使用できません。
マイコンメータの機能
メーターには所定の保安機能があるものを設置するルールがあります。
所定の保安機能には、
- 合計流量遮断機能
- 増加流量遮断機能
- 継続使用時間遮断機能
- 復帰安全機能
- テスト遮断機能
- 感震器作動遮断機能
- 電池電圧低下遮断機能
- ガス漏れ警報器作動遮断機能
- 流量式微少漏洩警告機能
- 圧力監視機能
といった機能があります。
警告と遮断の正誤を問う問題が多いので覚えておきましょう。
保安機能については使用時に遮断されることが多いです。非使用時に異常がある場合は大抵警告表示。
合計流量遮断機能、増加流量遮断機能
「ガス燃焼器の合計流量の1.0倍以上のものを取り付ける。」というものがあります。
この合計流量を超えた場合は異常と判断して遮断する機能。
増加流量遮断機能は消費量最大の燃焼器の消費量に比べて異常に大きい場合、遮断する機能。
継続使用時間遮断機能
瞬間湯沸かし器などの事故が起きやすいガス機器が決められた時間以上に長い時間使われていると遮断する機能。
瞬間湯沸かし器をシャワー代わりに使ったりすると止まったりする。
復帰安全機能、テスト遮断機能
マイコンを復帰させる前にはガスの元栓を閉めなければならないが閉めていないと遮断する機能。
テスト遮断は出荷から使用開始する際にまともに動くかのチェックをする機能。
感震器作動遮断機能
震度5以上で遮断。個人的にマイコン復帰を初めてした機会でもあります。
電池電圧低下遮断機能
マイコンメータに搭載されている電池がなくなりそうな時に「警告表示」
遮断機能と書いてあるのにひとまず警告機能。
(大事なことなので二回言いました。)
40日経過後ガスを使用していない時に遮断。
ただちに遮断じゃないところに注意。
ガス漏れ警報器作動遮断機能
たぶん説明はいらない。
流量式微少漏洩警告機能
微少のガス漏れが設定された日数連続して流れ続けた場合、警告表示。
圧力監視機能
ガスの未使用時、使用中、使用停止後、遮断時の圧力をそれぞれ監視して異常がある場合は警告表示、異常な低下がある場合は遮断する機能。
マイコンメータSとマイコンメーターE
マイコンメーターSとマイコンメーターEを覚えておきましょう。
マイコンメーターS
膜式、合計増加流量遮断値は無段階自動設定機能により消費者宅のガス使用パターンに合わせた最適な値が設定される。
ひらたく言うと、学習機能があって、生活パターンを記憶してくれる。
もし、普段のパターンに比べて使いすぎると「ガス漏れ!?」と気を利かしてくれる。
安全のため仕方ないものの、普段ふたり暮らしの家庭に孫を連れた子供が帰省などで帰ってきた結果、ガスの使用量が一気に増えるとガス漏れと誤認して止まることもある。
また、急に冷え込んだりしてファンヒーターや床暖房などを急に使っても止まる事がある。
一酸化中毒防止のため、一酸化中毒対策流量区別の使用時間制限が設定できる。
感震器も内蔵、ガスを使用中に震度5相当以上の地震を感知した場合、供給圧力に異常がある場合などもガスを遮断する。
マイコンメーターE
超音波式、従来のガスメーターに比べて1/2で小型、微小流量であっても数秒で計測できるため、安全性と利便性が高いガスメータ。
試験前にチェック
- ガスメーターの測定方式は?
- ガスメーターの設置と有効期限は何が基準?
- マイコンメーターSの測定方法は?
- マイコンメーターSに搭載されている機能は?
- マイコンメーターEの測定方式は?
- 何が遮断で何が警告か覚えてる?