ターゲットを絞り込んでベネフィットを伝えることであなたが作る広告やあなたの営業の成果は大きく伸びることになります。
お客さんにメリットを伝えれば成果は出てくるんじゃないの?と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、メリットを伝えるのではなくベネフィットを伝えなければ成果は出ません。
なぜ、成果が出ないのかと言うと、メリットを伝えてもお客さんに合わせた伝え方をしない限りは「他人事」になってしまうからです。
記事のもくじ
メリットを伝えても他人事になってしまう理由
メリットはひねくれた見方をすれば単なる「自慢」になります。
Aさんが唐突にこういった発言をしたらどう思いますか?
私は年収が1,000万を超えており、容姿端麗、性格は温和で何事にも寛容です。
ビジネスでは判断力に優れ、決断力もあるため重要なポストについています。
ってなるか、
ってならなかったですか?
メリットは一般的に良いとされる客観的に説明できる特長や機能であるため、Aさんの良い所を自己紹介させたならこれで間違いはありません。
ただ、もし事実であったとしても何か嫌味な気がしますよね。
これは人でもそうですが、商品やサービスでも一緒です。
商品やサービスのメリットだけを伝えても、「それがどうしたん?」という感想を持たれる可能性が出てしまいます。
「それがどうしたん?」となるとすぐ忘れられますよね。
興味を持ってもらえず、売れることもありません。
「いいモノを作っていれば何とかなる」はウソ
「いいモノ、いいサービスなら買ってもらえる」という考えは間違いではありませんが、もし本当にいいモノ、いいサービスだけが売れるのであれば、世の中に多様性が生まれることはありませんし、ましてや詐欺なんてものが起きることはありません。
真っ当な商売をするのであれば、「いいモノ」「いいサービス」であることは前提であり、購入者にとっては当たり前のことです。
ただ、購入者は専門家ではないため、あなたが提供しているモノやサービスについて詳しくありません。
あなたがいかに非の打ちどころのない唯一の商品やサービスを提供していたとしても、購入者があなたの提供しているモノあるいはサービスを知らなければ、その良さを信じてもらえなければ絶対に売れません。
「いいモノ、いいサービスは適切な対象に、適切な言葉で、適切な伝え方をすれば、買ってもらえる」というのが正しい考え方です。
「いやいや、ウチは特に宣伝していないけど売れてるよ」
という方は、先人と購入者に感謝しましょう。
先人が築いた信用と、購入者から寄せられた信頼あるいはクチコミによって売れているのです。
一から信頼を築く場合は、適切な対象であるターゲットを決めて、適切な言葉であるベネフィットを伝えるために、適切な伝え方である広告や営業といった手法を駆使しなければなりません。
ターゲットを定めてベネフィットを伝える
先程のAさん発言でも、年収下限が決まった婚活パーティーで相手(ターゲット)に対して行った自己紹介(口頭での営業)であれば、良いアピールになるかもしれませんよね。
ベネフィットはメリットを活かして、「あなたにはこういった未来が提供できます!」と伝えるものです。
Aさんが婚活パーティーの会場で年収1,000万超え、寛容な性格であるといったメリットを背景に「生活に苦労はさせません。あなたがどんな趣味を持っていたとしても受け入れる準備があります。」と相手にベネフィットを伝えることで相手は初めて自分事と捉えて「いいかも…」と気持ちが揺さぶられる(行動が変わる)のです。
あなたが売ろうとしている商品やサービスは「誰」の気持ちを揺さぶることができますか?
伝える方法や内容を工夫する
あなたが提供する商品やサービスのメリットはたくさんあると思います。
商品やサービスがいかに素晴らしいものかを全部伝えたくなってしまいますが、長々としゃべる営業はあんまり売れません。
売れる営業はお客さんに合わせて伝える内容や伝える量、強調するポイントを変えています。
お客さんによっては「結局なんぼやねん?」と結論を急ぐ人もいるでしょうし、客観的なデーターを重視する人、あなたやあなたの会社を信頼して深く検討しない人もいるでしょう。
結論を急ぐ人に長々と説明をしていれば失敗に終わるでしょうし、客観的なデーターを重視する人に情緒的なセールスをしても失敗に終わるでしょう。
「お客さんに合わせて伝える内容を変える?何を当たり前のことを…」と思うかもしれませんがお客さんの顔が見えなくなると、この「当たり前のこと」を忘れてしまうのです。
お客さんの顔が見えないってどういう状況?
対面または電話などの直接的なコミュニケーションではなく、チラシや資料などの販促物を通じて、あるいはホームページなどを通じた間接的なコミュニケーションのことです。
それぞれの媒体ごとにターゲットが設定されているならOKですが、
- チラシにベネフィットを設定せず、メリットの羅列をしていませんか?
- チラシを一種類だけ作って満足していませんか?
- ホームページで一覧ページや俯瞰できるページだけ作って満足していませんか?
もちろん、カタログ的な媒体も必要ですが、ベネフィットを中心にメリットがベネフィットの内容を補完するのが良い広告を作るコツです。
ベネフィットはターゲットにとってのメリットであるため、ターゲットが変わればベネフィットも違ったものになります。
チラシやホームページの特設ページなどは「伝えることをひとつに絞る(ワンメッセージ)」だと効果が高いため、扱うベネフィットはひとつの方が望ましいです。
ベネフィットが異なるならば複数種類のチラシ、複数のページを作った方が成果は上がりやすくなります。
予算や時間の都合上、ベネフィットに共感するであろうターゲットの人数が多いバージョンのみを作って、人数が少ない場合のバージョンを切り捨てることも多いですが人数のみに着目するのは間違いです。
購入モチベーションの高い順番に優先順位をつける
購入モチベーションとは「欲しい度合い」のことです。
言い換えると「お困りレベル」ですね。
我慢できないレベルで困っていると即購入しますよね。
こういった方を購入モチベーションが高い人、あるいは需要が顕在化した人と言います。
捕まえることができればすぐに売り上げに繋がる層ですが、その分競合との競争も激しいので他社との比較に強い場合はこちらを中心に。
そこまでの場合はその手前の層を中心に据えて優先順位をつけましょう。
試してみないと分からないことも多々ある
ベネフィットを中心に複数の広告を作っていると、予想通りのもの、成果が出るだろうなーと思ったものがコケて、もう一つかな・・・と思ってたものがバカ売れすることもあります。
予想と結果がズレる場合は、制作前の元になっている仮説がズレているためなんですが、このズレが面白いんです。
ビジネスはスポーツと違って、1点ずつ入るわけではありません。
広告は当たると大きいので、できる限り幅広く取り揃えていきましょう。
様々な検証を経てベストが見つかったならばそのままでもいいかもしれませんが、ターゲットの変化に合わせて数年に1度は新たに検証してみるのがいいと思います。
同じ商品であったとしてもアピールする部分を変えたり、画像やカラーを変えてお客さんに与える印象を変えることで売れゆきが大きく変わることは珍しくありません。
ターゲットはあなたの商品やサービスを待ち望んでいる
お客さんはあなたの商品やサービスについての専門家ではありません。
ただ、日々の仕事を効率的に進めたいと思っていますし、生活を豊かにしたい、面倒なことから逃れたい、いい思いをしたいと常に願っています。
あなたの提供するいい商品やいいサービスをターゲットに届けてあげてください。
あなたの商品やサービスをターゲットに知ってもらうには、あなたがターゲットの方を向いてどこにいるのか、どうやれば伝わるのか、何を伝えれば理解してもらえるのかを考えなければなりません。
まずはターゲットを絞ること。
あなたの商品やサービスが役に立てるであろう人物像を描くところからはじめましょう。
きっと喜んでくれます。
自分事として捉えてもらえれば、後は売上アップに役立つ具体的な広告手法!売れるまでの5ステップと促すための6つの要素でご紹介した通り6つの要素を使って成果につなげることができます。
ベネフィットとメリットの違いとは?違いを知って営業や広告に活かそうでは、メリットとベネフィットの違いをご紹介しているので、併せて読んでおいてください。
最後までお読みいただいてありがとうございました。