営業と広告は「売上を増やす」という目的や「お客さんに伝える」というコミュニケーションの対象は同じですが「伝え方」が異なります。
「伝え方」が違うということは、「伝わり方」も違うということ。
最も大きいのは「対面」か「非対面」という点です。
顔を合わせているかどうかで「伝わり方」は大きく変わります。
なぜ「対面」と「非対面」で伝わり方が大きく変わるのかということを真面目に解説してみました。
こういったお悩みを持つ方におすすめの記事です
記事のもくじ
人がコミュニケーションをする時、何を元に判断しているか
先に例を出します。
ボンベワンの反応に注目して読んでみて下さい。
ボンベ株式会社は毎朝朝礼を行っています。
本日は月に何度かあるボンベ社長からの訓示があります。
今日も頑張るか。
ボンベワンとボンベ先輩の考えていることが違いますね。
朝礼の後、ボンベワンはボンベ先輩と現場に行ってレクチャーを受けました。
ほら、やってみて。
教えてくれてありがとうございます!
ボンベワンはボンベ先輩のことは尊敬していますが、ボンベ社長のことはそれほどでもありません。
ここまで露骨に反応が違うことは稀ですが、「誰が」言うのかは聞き手にとって大きな影響を及ぼします。
「何を」ではなく「誰が」
親しい友人や家族などのアドバイスをもらうと無条件に信用してしまったり、クチコミを聞くと興味を持って調べてみるきっかけになったりします。
一方、知らない人に何かを勧められると、一歩引いてしまったり、構えてしまい話が入ってこないことがありますよね。
私たちが誰かとコミュニケーションする時は、「何を」言っているのかではなく「誰が」言っているのかによって、受け取る情報に対して無意識にフィルターをかけてしまうのです。
営業で一番大切なのは関係づくり
こういった言葉を聞いたことがありませんか?
成績の上がる営業担当者は、無意識的なフィルターのことを感覚的に理解していて、このフィルターを突破して信頼関係を作っているため成績が上がっているのです。
セールストークもできるに越したことはありませんが、人間関係が作れるならばセールストークが少々苦手でも売り上げは上がります。
当然の疑問ですよね。
無意識のフィルターを突破して信頼関係をつくるためには色々なテクニックがあります。
ただ、基本を知らなければテクニックを活かすことはできません。
全てのテクニックの土台になる「無意識のフィルター」について学んでおきましょう。
無意識のフィルターとは?
「優しそう」
「真面目な人っぽい」
「あやしい…」
誰かと会った時に「なんとなく」こういった印象を持ったことはありませんか?
そして、最初に持った印象は大体当たってませんか?
仲良くなれそうと思って仲良くなれないことはそうそうありません。
無意識のフィルターとは、私たちが誰かとコミュニケーションする(した)時に抱いた印象の根拠になるものです。
無意識のフィルターはあなたが育ってきた環境と、「こういうタイプとはいい関係が作れている」といった成功経験から作られ常に変化し続けています。
個人個人違うものですし、人によって好きなタイプは違うので「〇〇をすれば上手くいく」というテクニックはありません。
こういったタイプにはこのテクニックが有効、ああいったタイプにはこっちのテクニックが有効…といったように様々なことを試せば良い人間関係を作ることができるようになります。
無意識のフィルターが信頼度のスタートを決める
あなたとお客さんが初対面の場合、お客さんはお客さんの無意識のフィルターであなたのことを信頼できそうかどうか判断します。
判断の基準は、あなたの見た目、あなたの話し方、あなたが話している内容の3つです。
3つのうちどれが重視されると思いますか?
メラビアンの法則
3つの判断基準がどういった比率で評価されるかについての研究は、カリフォルニア大学名誉教授の心理学者アルバート・メラビアンさんが発表しています。
個人によって差があるものの、一定の基準にはなるでしょう。
- 見た目(服装や表情など)が55%
- 話し方(話すスピードや声のトーンなど)が38%
- 話している内容(セールストーク)が7%
話している内容はたったの7%です。
お客さんはあなたが話している内容よりも、あなたの表情や、声のスピードやトーンから出てくる感情を読み取って「聞く価値があるかどうか」を判断しています。
私たちはこの点をしっかり覚えておかないとコミュニケーションが上手くいきません。
特に営業やマーケティング、広告に携わる人間であれば、深く理解しておく必要があります。
「人は見た目が9割(竹内一郎著)」という大ヒットした本がありますが、メラビアンの法則を様々な例を出して説明した名著です。
感覚的にやっていたことを説明してもらえるので、とても面白いですよ。
ご興味のある方はチェックしてみて下さい。
「やっぱり見た目が9割」(新潮社)をAmazonでチェックする
無意識のフィルターについてのまとめ
無意識のフィルターは個人のコミュニケーションの成功体験から作られる。
メラビアンの法則を理解しておくとコミュニケーションが上手くいく。
営業を例として出しましたが、メラビアンの法則はコミュニケーション全般に共通する法則です。
対面と非対面は何が違う?
私たちは直接「対面」する営業以外にも電話やメール、チラシやホームページなどの「非対面」の状況でもお客様とコミュニケーションしています。
非対面の場合は大きな比率を占める見た目や話し方が活かしにくいため、対面よりもコミュニケーションの難易度は高くなります。
活かせないんじゃないの?
活かし「にくい」理由
メラビアンの法則は「見た目」「話し方」「内容」の3つで構成されます。
額面通りに受け取った素直な方は、電話を除いた非対面のコミュニケーションの場合、「見た目」や「話し方」を除いた7%でコミュニケーションをすると思ったのではないでしょうか。
誤解をしないで下さい。
非対面でも「見た目」や「話し方」がなくなるわけではありません。
感じが良いメール、感じが悪いメールがありませんか?
メールは文章が主となるため、「内容」でコミュニケーションしているように捉えられがちですが、そんなことはありません。
もし、内容だけのコミュニケーションであれば、開いた時に良い印象を抱いたり、悪い印象を抱いたりすることはないはずです。
内容が整理されている、先日話した内容に触れられているなど、読み手への気遣いを感じるメールには良い印象が、「焦って送ってきたんだろうな」とか「雑っ」と思うメールには悪い印象を抱きます。
文章力の問題だけではありません。
読み手は届いたメールから送り手の感情やこちらをどう思っているかを読み取っているのです。
つまり、私たちがメールという内容を届けるだけのコミュニケーションであっても、相手に感情を伝えることができるということです。
メールでやり取りするとトラブルになってしまうケースがあるのは、「相手が内容以外の部分も読み取っている」ということを理解していないためです。
ITや公告などの専門業種がお客さんになる異業種とやり取りする時によく起こります。
- 専門用語を多用する
- 相手がその業界についてどういった知識を持っているかを把握せずに質問や指示をする
- 相手の質問に対して的確に答えない(答えた内容が不十分)
上記に挙げたのはトラブルの原因トップ3といったところです。
炎上させた担当者は「いやー、リテラシーが低いっすわー」と、相手に原因があり自分に非はないと答えることが多かったです。
担当者にとっては「普通」にコミュニケーションしているつもりなんでしょうね。
ただ、メールに限らず相手の状況を無視してこちらの都合だけを伝えると、お客さんは「ないがしろにされている」と感じます。
お互いに理解した方がスムーズにいくので、もちろんお客さんからの歩み寄りも必要です。
ただ、歩み寄るのはこちらから始めましょう。
広告の場合はどうなる?
内容を分かりやすく伝えることで「見た目」を、読みやすくすることで「話し方」を補足することができます。
読み手が「私のことだ!」と思ってもらえるようにする=ベネフィットを伝えることがこちらからの歩み寄りです。
同じデザインのチラシを1,000枚配る、CMを〇万人へ届けるなど、画一的に同じ内容を伝えることになりますので、直接話す時のようにお客さんに合わせた調整ができないため、広告は打ち出し方が大切です。
具体的な広告のつくり方については下記記事を参考にしてください。
15の広告手法と6つの営業手法!独自にできて効果の高い手法は?
お客さんの行動を促すチラシを作ってみよう【ビルトインコンロ編】
まとめ
- 「何を」よりも「誰が」伝えるかによって伝わり方は変わる
- 受け取る情報に対して無意識にフィルターをかけてしまう
- 無意識のフィルターは「見た目」「話し方」「内容」の3つで構成されている
- 対面と非対面をコミュニケーションの難易度で比べると非対面の方が難易度は高い
- 非対面でも「見た目」「話し方」がなくなるわけではない
- メールであっても読み手は内容以外の部分も読み取っている
- 広告は打ち出し方が大切
といったことを見てきました。
無意識のフィルターを意識して、あなたが行うコミュニケーションは必ず相手に影響を与えることを自覚して下さい。
必ずいい結果が待っています。
対面と非対面は一長一短
対面の時は感情やニュアンスを伝えやすいので、反応を測りやすいですし、成約する確率は高くなります。
ただ、足を運ぶ必要があるのとこなせる件数に限界があります。
非対面の時は感情やニュアンスを伝えずらいので、反応が出にくいですし、成約する確率は低くなります。
ただ、一気に数万件へアプローチすることも可能です。
対面と非対面を組み合わせて売上を効率的に上げていきたいですね。
最後までお読みいただきありがとうございました。