営業やマーケティングのハウツー本を読んでいると出てくる「ベネフィット」という言葉。
「メリットと何が違うの?」と思った方も多いのではないでしょうか。
一言で言うならば、メリットは客観的なものでベネフィットは主観的なものです。
記事のもくじ
メリットは客観的なもの
言葉を補っていうならば、客観的なデーターで示すことができる機能や良いとされている特長のことです。
ベネフィットは主観的なもの
直訳すると「恩恵」という意味ですが、「本当に欲しいもの」と言い換えてもいいかもしれません。
主観的なものと言ったのは、個人の年齢や性別、置かれている環境や、持っている主義や嗜好などの価値観が大きい影響を占めてくるからです。
具体例を3つ出して考えていきましょう。
例にするのはダイエット、快眠サプリ、ビルトインコンロの3つ。
ダイエットのメリットとベネフィット
メリットは健康的な肉体が手に入ること。
ダイエットのメリット
- 身体が軽くなることで動くのが楽になる
- 生活習慣病になりにくくなる
- 引き締まった体が手に入る
ダイエットのベネフィット
ベネフィットは健康的な肉体が手に入ることで得られる恩恵(本当に欲しいもの)です。
そして、ベネフィットは主観的なものであるため、具体的な悩みを持っている「誰か」が重要です。
男子学生の場合
もし、自分の体型がコンプレックスになっている男子学生がダイエットを決意したとしたら、本当に欲しいものは何でしょうか。
この男子学生はゆるんだ体型がコンプレックスになっており、コンプレックスのせいで自信が持てない。
自信が持てないせいで立ち居振る舞いが委縮してしまって、彼女ができないといった悩みを抱えているとします。
- ダイエットを成功することで引き締まった体が手に入って魅力的になる
- ダイエットを達成することで努力を達成した自分に自信が持てるようになる
- 魅力的になったことで彼女ができる
といった男子学生にとって望ましい結果が手に入るのではないでしょうか。
そのため、男子学生にとってダイエットのベネフィットは彼女ができることになります。
中高年の場合
もし、生活習慣病に悩む中高年がダイエットを決意したとしたら、本当に欲しいものは何でしょうか。
- 生活習慣病のつらさから解放される
- ダイエットを達成することで体力がついて仕事にも生活にもハリが出る
といったことが中高年にとってのベネフィットになります。
「彼女ができる」というのは生活習慣病に悩む中高年にとってはメリットになりませんし、「生活習慣病のつらさから解放される」というのは、男子学生にとってメリットにはなりません。
いかにベネフィットが主観的なものであるかが分かるのではないでしょうか。
余談
摂取カロリーと消費カロリーを比べて、摂取カロリーが多ければ太りますし、消費カロリーの方が多ければ痩せます。
当たり前のことかもしれませんが、自分の体重や体型をコントロールできているか?と聞かれると自信を持って回答できるのは少数派になるのではないでしょうか。
「結果にコミットする」企業に限らず、パーソナルトレーニングをしている所では、消費カロリーと摂取カロリーを数字で可視化して、専属のトレーナーが申込者を管理しています。
消費カロリーの大半を占める基礎代謝を上げるために筋肉トレーニングをしつつ、摂取カロリーを管理して結果を出しています。
体重管理のマネージャーみたいな感じですね。
ネムレール(快眠サプリ)の場合
売上アップに役立つ具体的な広告手法!売れるまでの5ステップと促すための6つの要素
のテレビショッピングの例で使った快眠サプリを例に使います。
体質改善系の健康食品やサプリメントの場合は、お悩みの直接的な解決手段なのでベネフィットはメリットに近くなりますし「誰に」の部分が大きく変わることは少ないです。
ネムレール(快眠サプリ)のメリット
よく眠れるようになる。
ネムレール(快眠サプリ)のベネフィット
質の高い眠りが得られるため疲れが取れる
疲れが取れて日中に眠くならないため仕事の能率が上がる、あるいは生活の質が高くなる
といったことが眠れない人にとってのベネフィットになります。
ビルトインコンロ(調理器具)の場合
ビルトインコンロのグレードによってメリットは変わっていきますが、下記のようなことが挙げられます。
ビルトインコンロのメリット
- 料理が作れる
- 口数が複数あることで並行して料理ができる
- ご飯が炊ける
- オートメニューがある
- 汚れにくい
- 汚れが取れやすい
といったことがメリットになります。
ビルトインコンロのベネフィット
先程挙げたメリットから生み出されるベネフィットは主に2点に集約されます。
美味しいご飯や豊富な種類のご飯が作れるようになる
→家族の笑顔や健康が手に入る
手間をかけずに手入れができるようになる
→自分の時間が手に入る
まとめ
メリットとベネフィットが似たようで違うものというのがお分かりいただけたのではないでしょうか。
メリットは商品やサービスの客観的な特長、ネフィットは商品やサービスを使った人が悩みを解決した結果手に入る本当に欲しいもの。
つまり、ベネフィットは悩みのある人(=ターゲット)が抱いている願望とも言えます。
その商品やサービスが願望をかなえてくれるのですから、ベネフィットを全面に出すことで感情を揺さぶることができます。
ターゲットの感情を揺さぶることができるということは、広告や営業の現場で「使える」技術ということです。
ベネフィットを出すための4ステップ
ベネフィットはメリットを深堀りしていけば見つかります。
- メリットを挙げる
- このメリットは誰にとってのメリットかを考える
- この誰かが恩恵を得ることでどういったことが起きるかを考える
- つまりそれはどういうこと?と問いかける
といった順番でやれば迷うことが少なくなります。
ベネフィットを上手く使うことで広告や営業の成果を出してください。
最後までお読みいただきありがとうございました。