安全性を担保するために容器や配管に対しての規格が定められており、かつ試験内容や試験期間についての定めがされてます。
個人的には思った以上に安全性はしっかりしてるな、と思いました。
まずは供給についてのおさらいです。
ボンベには圧力をかけて液化したLPガス(高圧)が入っており、これを調整器を介して圧力を中圧または低圧に圧力を落として、最終的に低圧で供給することでガスメーターを通り、コンロや給湯器などのガス機器で使用できるようになります。
各段階を繋ぐのは配管やガスホースなので、それぞれが定められた圧力に耐えれないと事故に繋がってしまいます。
安全を守るためにそれぞれに規格が存在して、規格を守るために気密試験や耐圧試験が決められていると考えて下さい。
では、本章に入ります。
容器・付属品
LPガスと聞いて思い浮かぶボンベが容器です。
錆びないように地面と接するスカート部分には防食措置を取り、突出したバルブがあればプロテクタまたはキャップを付ける。
製造から20年未満であれば5年に1回、20年以上であれば2年に1回試験があり、不合格であれば廃棄。
廃棄する時には再利用できないようにして廃棄する必要があります。
廃棄する時にはボンベに残ったガス(残ガス)を捨てる必要がありますが、少しずつ風通しの良い場所で捨てて空にしてから。
捨てる時にはボンベを温めると気化しやすいので、温湿布は使ってもOKですが、40℃以下に保つ必要はあります。
合格した現役のボンベには、6カ月以内に充てんされたLPガスが入っています。
ボンベ本体には「燃」(赤字)の文字、事故が起きた時に連絡できるように、販売者の氏名又は名称、住所、TELなどを記載。
もし販売業者が変わった場合は、ただちに修正が必要です。
どのくらい入っているのかの内容積(記号V単位リットル)、安全基準を担保している証明として、試験に合格した時の年月、耐圧試験の圧力(記号TPメガパスカル)およびMの刻印を入れる。Wという記号は付属品を含まない容器の質量。
付属品となるバルブには容器の種類(LPG)という刻印が必要、廃棄する時は付属品も一緒に廃棄する必要があります。
容器に接続されていないバルブの再検査時期は2年に1回。新しい・古い容器とかは関係ありません。
容器にはバルク貯槽(バルク容器)というものもありますが、おっきいボンベです。
こちらにも火気厳禁(朱書き)液化石油ガスまたはLPガスと記載をして注意を促す必要があります。
貯槽は動かせないものなので1,000kg以上、容器は移動可能なもので3,000kg以上が「特定」かどうかの境界になります。
第一種・第二種保安物件との「一定の距離を離す」必要がありますが詳細は割愛。
配管
ボンベ→調整器→ガスメーター→ガス燃焼器という一連の供給の流れの中でそれぞれを繋ぐのが配管です。
ガス漏れを起こさないためにそれぞれの規格に合った配管を使う必要があります。
配管材料などは別記事で紹介しているため、そちらを参照。
それぞれの規格
充てん容器と調整器を接続する配管は1kN以上の引張試験に合格したもの
調整器とガスメーターの間の配管は0.8MPa以上の耐圧試験に合格したもの
二段式調整器の一次と二次の間の配管は0.15MPa以上の気密試験に合格したもの
消費設備(ガスメーターの出口以降)の配管は8.4kPa以上の気密試験に合格したもの
ガス燃焼器に接続される配管(ガスホース)は2.0~3.3kPaで供給されます。
耐圧試験は中圧に耐えれるもの、気密試験は二段式調整器が出てきた場合は0.15MPa、消費設備なら8.4kPaという数字をキーワードにすれば問題ないかと思います。
ガス燃焼器は2.0~3.3kPaじゃないと不完全燃焼を起こすから、この範囲になります。上限が3.5kPaみたいな数字で誤認を誘ってくるので注意しましょう。