段階的な目標を設定すると様々なメリットがあります。
たとえば
- ゴールから逆算して考えるため具体的な道順が見える
- 成果に繋がっていなかったとしてもモチベーションが保てる
- スタッフの管理や評価がめっちゃ楽…など
もし、売上金額を増やそうと思えば、見込み客数を増やすか成約率を上げれば数字は増えますよね?
段階的な目標とは、最終的な目標を構成する要因についての目標のことです。
売上金額が最終目標であるならば、売上を構成するのは見込み客数と成約率です。
「〇〇をするためには××がいるんだけど△△がなぁ…」
といった条件は3つの条件に分類できます。
記事のもくじ
3つの条件とは?
3つの条件とは、必要条件、十分条件、制約条件です。
必要条件と十分条件は高校数学で出てくる考え方、制約条件というのはプロジェクト用語のひとつです。
それぞれの条件を組み合わせて目標や目的を作れば間違いなく成果が出てきます。
- 必要条件(〇〇をするために最低限必要なもの)
- 十分条件(〇〇をするためにあった方がより成果が見込めるもの)
- 制約条件(〇〇をするために費やせるヒト・モノ・カネ、コントロールできないもの、成果の限界)
と言い換えられます。
概念だけだとイメージがしにくいと思うので、肉じゃがを作る例でそれぞれの条件を考えてみましょう。
肉じゃがを作る時の必要条件
- 素材:お肉、じゃがいも、にんじん、たまねぎ、だし、水、醤油、酒、みりん
- 調理器具:鍋、包丁、コンロ、ガス
- 素材を揃えるためのお金
- 調理する人
- 素材の調達時間
- 調理時間
といったものになります。
これは「肉じゃが」であれば条件は満たしているのでお肉が牛肉でも豚肉でもOKですし、味に対してもこだわりがないので肉じゃがらしきものができていれば問題ありません。
ただ、おいしい肉じゃがを作るなら下記のような方法が考えられますよね。
必要条件にプラスしてより良くすための条件が十分条件です。
肉じゃがを作る時の十分条件
より良くするための条件を考えてみましょう。
- ・各素材のグレードアップ、素材や調味料の追加(砂糖、しらたき、いんげんなど)
- ・調理器具のグレードアップ(圧力なべなど)
- ・素材を揃えるためのお金
- ・作る人のグレードアップ(料理人など)
- ・調理時間の延長(ひと晩寝かせて味をしみこませるなど)
お肉をA5ランクにしたり、産地や製法にこだわった素材を仕入れて、和食の鉄人などに頼めば素人が作るよりもはるかに美味しい肉じゃがができることと思います。
ただ、万人がそんな生活をできるわけはありません。
必要条件や十分条件などの達成するために必要な項目に関わってくるのが制約条件です。
肉じゃがを作る時の制約条件
おいしい!と思ってもらえるかどうかは下記のような内容が関わってきます。
- 肉じゃがにかけられる予算
- できるまでにかけられる時間
- キッチンの広さやコンロの口数などの設備
- 食べる人の年齢、体調や嗜好、食べるタイミングなど
予算や時間、作る場所、誰に食べさせるのかが分かっている場合は前提条件と言えるかもしれませんね。
ただ、食べる人がどう思うかについては食べる人に主導権があり、作る側でコントロールができませんし、組織の中で働く際に自分で好きにできるわけでもないため、予算や納期などについても制約条件に挙げられると思います。
目標や目的によって”最低限”の条件は変化する
掲げる目標が高ければ必要なコストは高くなりますし、本当に”最低限”で良いならば必要なコストは少なくて済みます。
※コスト=人的×資金的なコストのこと。
安い素材でも手間をかければ美味しくなりますからね。
これは何かを売る時でも変わりません。
そのため効率よく目標を達成するには、割り振れる予算や人員を元に目標を定めるのが第一歩と言えます。
チームリーダーが立てる段階的な目標設定と評価方法
一方で会社からは売上目標が機械的に設定されます。
そのため、各営業のスタッフは目標を達成するために、チームリーダーはチームの目標を達成するために日々の努力を続けていることだと思います。
売上 = 見込み客 × 成約率であるならばチームリーダーがやるべきことは売上を達成するための必要条件、十分条件、制約条件を考えて下記を埋めていくのが近道になるでしょう。
条件を埋めるためには現状分析と判断材料が必要です。
売上を達成するための判断材料
必要条件、十分条件、制約条件全てを考えます。
- どのくらいの見込み客が必要なのか?
- どのくらいの成約率が必要なのか?
- 何も変えずに達成は可能なのか?
- 変える場合に関わってくる制約は何か?
見込み客を増やすための判断材料
現状分析と必要条件、十分条件のみを考えます。
- 見込み客を作るために独力でできる範囲はどのくらいか?
- 独力で難しい場合はどういった施策や助け(広告ツールなど)が必要なのか?
- 施策や広告ツールなどに必要なコストは?
成約率を上げるための判断材料
現場に足を運んで現状分析をします。
- どういった営業活動をしているのか?
- 営業活動のどういった部分が足らないのか?
- 足らない部分を補完してスキルアップさせるためにはどうすればいいのか、必要なコストは?
といった部分を数値化してスタッフごとに別々に考えてあげればいいことになります。
そして、
- 見込み客数が十分なスタッフと少ないスタッフの日々の行動はどう異なるのか?
- 教育するために必要な時間は?
- 効率の良い教育方法は?
といったことを考えながら、改善が見られたかどうかを現場で確認(同行して確認)していけば必ず改善されていきます。
評価は改善率を元にする
会社が評価するのは売上という数字になりますが、チームリーダーが評価するのは段階的な目標に対しての達成率や、改善率で評価してあげましょう。
数字の浮き沈みの激しいスタッフよりもコンスタントに数字を上げてくれるスタッフの方が目標が立てやすいですし、何よりスタッフの成長に繋がります。
努力しているのが数字で見れるため、スタッフ自体も結果に向かって進んでいる実感が持ててモチベーションも高く保てます。
まとめ
- 3つの条件を元に段階的な目標を設定する。
- 3つの条件とは必要条件、十分条件、制約条件。
- 3つの条件は現状分析と判断材料から作られる。
といったことを見てきました。
段階的な目標は「重要業績評価指標」、横文字ではKPI(Key Performance Indicator)と呼ばれます。
最終的な目標は「最重要業績目標達成指標」横文字ではゴールを意味するKGI(Key Goal Indicator)と呼ばれます。
スタッフごとに能力や個性が異なるため、スタッフによっては目標にどうやって行けばいいか分からない、あるいは本人には遠すぎて期間中にたどり着けないような場所にあると感じるかもしれません。
道が見えていないゴールを設定しても疲弊するだけです。
チームリーダーが目標に到達できる道筋を見えるようにしてあげて導いてあげれば、スタッフたちの協力が得られて売上をアップさせることができるでしょう。
最後までお読み頂きありがとうございました。